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コンテナのサイズどう選ぶ?種類や用途別で詳細寸法を解説!

年々コンテナで輸送される貨物は増加しています。運ばれる貨物自体も多様化するに伴い、多彩なコンテナがラインナップされるようになりました。

しかしながら主として用いられるコンテナのサイズはある程度規格で標準化されています。それは、20フィートと40フィートコンテナですね。

とは言え、フィートという単位は日本では馴染みがなく、いったいどれくらいの大きさなのか、容量はどれくらいなのかわからない、といった方もいらっしゃるでしょう。また、コンテナの用途によって、一口に20フィート、40フィートと言っても、積み込める量は異なります。

そこでこの記事では、コンテナの種類や用途別にサイズをメートル方式でまとめてご紹介いたします。

1.コンテナのサイズ・種類について知っておきたいこと

最初に、どんな種類・用途のコンテナであっても、知っておきたいサイズ・種類の基礎知識をご紹介いたします。

①基本はISO規格に準拠

海上輸送に使われるコンテナは、ISO規格によってサイズが標準化されています。国際的に一律サイズを用いることによって、港湾や陸上輸送に関するインフラを共通にし、作業効率をアップさせる狙いがあるためです。特に輸送に大きく関わる外法寸法に関してはきっちり決まっており、メーカーや製造国、用途・種類を問わず必ず同一となります。最も一般的に使われるのは20フィート、40フィートコンテナです。

輸送以外の用途、例えばコンテナハウスや倉庫、ガレージなどといった場合にも、海上コンテナと同様の20フィートあるいは40フィートサイズを用いることが多くなります(サイズのみ。構造や素材は住宅用途となる)。こういった居住・貯蔵空間としての応用では、複数コンテナを組み合わせて任意の広さを作り上げることも一般的に行われてきました。

一方で鉄道においては、JR貨物が独自に規格したコンテナが用いられており、31フィートや12フィートサイズなどが存在します。

また、輸送時のコストは規格品に比べて高くなりますが、通常とは異なるサイズのコンテナを作ることも可能です。

なお、フィートとは、ヤード・ポンド法で用いられる長さの単位です。1フィート=約0.3048m、つまり約30cmのため、20フィートは3で割って約6m、40フィートは約12mと考えると覚えやすいでしょう。

主として用いられるドライコンテナの、20フィートと40フィートそれぞれの外法寸法をメートル法で掲載いたします。

■20フィート

長さ6,058mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

■40フィート

長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

②内法寸法・容積(空間の広さ)

外寸と異なり、内寸は製造メーカー、あるいはコンテナの種類・機能によって若干の差がありますが、ISOでは最小内寸が規定されています。そのため容積もこれに準じます。

③自重(じじゅう)・最大積載量・最大総重量

自重とは本体そのものの重さを指します。自重・最大積載量・最大総重量もまた、製造メーカーやコンテナの種類、仕様などによって異なります。

特に最大積載量(最大総重量から自重を減じた重量にあたる)は非常に大切なスペックのため、コンテナのドアの右側部分に記載されることとなりますが、めいっぱい積み込むには許可を取り、それとわかる警告シールをコンテナに貼り付けることが義務付けられます。なぜかと言うと、あまりに重すぎるコンテナを陸上輸送する際、道路運送車両法や道路交通法に抵触してしまう可能性があるためです。これは国内のみならず、輸出先の国の法律も確認し、遵守する必要があります。

また、貨物の性質によっては、一部に加重がかかってしまったり、荷崩れによって荷物が一定方向に一気に加重されたりして、床が破損してしまう可能性もあります。

コンテナハウスや倉庫など、決まった場所でコンテナを使用する場合は過度に気にする必要はありませんが、持ち込む商材によっては注意が必要になってきます。

その際は、耐圧分散装置や、ドライコンテナでは積載できないような大きさ・重量の貨物を輸送するフラットラック・コンテナを用いるなどの対処が求められるでしょう。FRPなどと言った、軽量素材のコンテナを用いるのも手ですね。

④開口部について

開口部で最も多い仕様は片妻側両開きのタイプです。

妻側(つまがわ)とは、コンテナ(あるいは建物)の長さから見て、直角側に面した側面のことです。長さに平行した部分は平側(ひらがわ)と呼びます。

両妻側両開きや、JR貨物などでは側開き(平側部分が開く仕様)なども用いられることがあります。

この開口部にシャッターやドアを搭載することも可能です。

2.コンテナの種類とサイズ①海上コンテナ

最も基本的な、ISO規格で規定される国際海上貨物用コンテナ(Shipping containersまたはIsotainers。海コンとも)のサイズをご紹介いたします。

なお、前述の通り内寸や重量は製品によって異なるため、一般値を掲載いたします。

①ドライコンテナ

最も基本的な海上コンテナの中でも、最もよく利用されているドライコンテナ。一般貨物を運ぶ他にも、コンテナハウスや倉庫、ガレージなどといった空間への応用でも用いられています。

20フィート、40フィート、40フィート/ハイキューブ・コンテナ(背高コンテナ)の三種がよく用いられてきました。

ISO規格では適用されていませんが、12フィートや20フィート/ハイキューブなども使用されることがあります。

■20フィートコンテナ

外法寸法

長さ6,058mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

内法寸法

長さ5,867mm×幅2,352mm×高さ2,385mm

容積

約33.1立方メートル

自重

2,200kg程度

最大積荷重量

28,280kg

最大総重量

30,480kg

■40フィートコンテナ

外法寸法

長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

内法寸法

12,032mm×2,352mm×2,385mm

容積

約67.5立方メートル

自重

3,800kg程度

最大積荷重量

26,680kg

最大総重量

30,480kg

■40フィート/ハイキューブ・コンテナ

外法寸法

長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,896mm

内法寸法

長さ12,000mm×幅2,350mm×高さ2,896mm

容積

約76立方メートル

自重

3,900kg程度

最大積荷重量

26,580kg

最大総重量

30,480kg

ハイキューブ・コンテナ(背高コンテナ)とは、その名の通り背丈が通常の40フィートタイプもよりも1フィート高くなったコンテナです。ハイキューブ・コンテナは高さ9.6フィートであることからクンロク、通常の40フィートコンテナは高さ8.6フィートであることからハチロクなどと呼ばれることもあります。

広さ自体は変わりませんが、容積も約10%程度アップしていますね。

ハイキューブ・コンテナがISO規格に適用されたのは2005年以降です。コンテナにめいっぱい貨物を詰め込んでも、最大積載重量を下回ることが多く、より効率的に多くの商材を輸送する目的で開発されました。そのため、軽量ながらかさばってしまうような商材で重宝されるようになりますが、導入にはやや難点があります。

と言うのも、ハイキューブ・コンテナは背丈が高くなってしまうため、日本国内では道路交通法による高さ制限にひっかかってしまうのです。現在では、特殊車両通行許可制度に基づく通行許可が必要となっており、同時に国際的にますます普及しているハイキューブ・コンテナをスムーズに導入するため、道路や法整備が急がれています。

②リーファーコンテナ(冷凍コンテナ)

通常のドライコンテナの内部温度は、海上では50度を超えている、と言われています。そのため、生鮮食品や生花、乳製品、化学薬品などといった厳格な温度管理が要される貨物を輸送する際に活躍しているのがリーファーコンテナです。

Reeferとは冷凍・冷蔵庫を指しますが、断熱材と冷却ファンなどがコンテナ自体に取り付けられており、任意の温度帯(だいたいマイナス25度~プラス30度)になるようコントロールされています。ちなみに現在では、湿度管理をしたり、野菜や果物から発生するエチレンガスを除去したりする機能を備えたものも。

こういった利便性の高さから、ドライコンテナに次いでよく用いられるコンテナの種類となります。

サイズはドライコンテナ同様、20フィートと40フィート、そして40フィートのハイキューブが標準的に用いられていますが、リーファーコンテナは断熱材で内部を保護しているため内寸がドライコンテナに比べて小さくなり、その分容積も小さくなります。

また、冷却ファンの分の重量が加算されるため、自重が重くなるという特徴があります。

■20フィート

外法寸法

長さ6,058mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

内法寸法

長さ5,543mm×2,286mm×2,235mm

容積

約28.3立方メートル

自重

2,870kg程度

最大積荷重量

27,610kg

最大総重量

30,480kg

■40フィート

外法寸法

長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

内法寸法

長さ11,574mm×幅2,256mm×高さ2,235mm

容積

約58.4立方メートル

自重

4,300kg程度

最大積載重量

26,180kg

最大総重量

30,480kg

■40フィート/ハイキューブ・コンテナ

外法寸法

長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,896mm

内法寸法

長さ11,669mm×幅2,286mm×高さ2,507mm

容積

約66.6立方メートル

自重

4,670kg程度

最大積荷重量

25,810kg

最大総重量

30,480kg

③タンクコンテナ

タンクコンテナは液体を運ぶためのコンテナです。

モルト(醸造酒)、濃縮果汁、醤油などといった食品原料、油、化学薬品などといった液体用タンクとなります。なお、液化気体あるいは気体両方に使えるガス類(ヘリウムガスなど)のためのタンクコンテナも存在します。

液体を詰める専用タンクを鋼製フレームで囲うようにして支えた形状となったものが一般的ですが、ドライコンテナ状になっているもの。あるいはリーファーコンテナのように温度管理装置がついたものなど、近年では様々な種類の製品が用いられるようになってきました。

ちなみに海上で液体を輸送する船と言うとタンカーが思い浮かぶかもしれませんが、こちらは船倉がタンクとなったもの。タンクコンテナはそれ自体に液体が詰められているため、そのまま陸上輸送にシフトすることが可能です。

なお、貨物によって「危険物用」と「非危険物《普通品》用」に区別され、取扱が異なります。

タンクコンテナは構造・形式によって(タンクによって)内寸や容積といったサイズは変わりますが、大容量タンクの外法寸法は2,591mmとなります。

サイズの種類も20フィート、40フィートではなく、9.5KL、11KL、13KL、14.4KL、21KL、24KL、25KL、26KLなどのように容量で振り分けられます。

なお、21KL以上のタンクコンテナが大容量と呼ばれます。

④オープントップ・コンテナ

ドライコンテナは何も四方を壁で囲われたものばかりではありません。その壁の一部を取り払ったり、変形させたりして貨物にあった用途で使うケースもしばしば見られます。

オープントップ・コンテナもそんなコンテナの種類の一つ。ドライコンテナの天井部分を無くして解放し、崇高物や長尺物、重量物の貨物輸送を可能にします。それは例えばクレーンやダンプなどの大型機械であったり、象や馬などといった大型動物であったりと、多岐にわたります。

なお、オープントップ仕様とすることで、上部から荷役ができる、という特徴も持ちます。

しかしながら上部にしっかりとした壁がないため、他のコンテナを積み上げることはできません。

サイズの一例をご紹介いたします。

■20フィート

外法寸法

長さ6,058mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

内法寸法

長さ5,898mm×幅2,352mm×高さ2,342mm

内容積

約32.5立方メートル

自重

2200kg~2,330kg

最大積荷重量

18,120kg~28,150kg

最大総重量

30,480kg

■40フィート

外法寸法

長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

内法寸法

長さ12,032mm×幅2,352mm×高さ2,385mm

内容積

約67.5立方メートル

自重

4,060kg~4,100kg

最大積荷重量

26,380kg~26,420kg

最大総重量

30,480kg

⑤フラットラック・コンテナ

フラットラック・コンテナもまた、通常のコンテナの形状を変えたもので、屋根・両側面・扉面を持たない構造になっています。

長尺物や重量物、ドライコンテナに詰めることのできない大型貨物の輸送に用いられてきました。具体的には、大型機械、木材、石材、大型タイヤ、各種車両などが挙げられます。

コンテナの長さめいっぱいのもの、あるいはコンテナ本体より大きいものを積載することもありますが、他のコンテナを一緒に積めなかったり、船のセルガイドに当たってしまったりといった場合があります。そのため、輸送コストは他のコンテナ貨物に比べて高くなります。

なお、重量物が多いため、コンテナの床部分に厚みを持たせていることが一般的です。

サイズについては、20フィートと40フィートがよく用いられ、外報寸法は通常のドライコンテナ同様となります。

しかしながら構造やメーカーによって内法寸法や自重は変わってきます。

3.コンテナの種類とサイズ②鉄道貨物

鉄道でも標準化されたコンテナは輸送面、耐久面などで非常に重宝されていますが、実はJR貨物(日本貨物鉄道株式会社。JRグループのうちの一社)は独自規格に基づいた汎用コンテナを採用しています。なぜなら海上コンテナが主流になる前の1955年頃から当時の国有鉄道が、コンテナを用いた輸送を導入していた背景があるためです。

こういったことから、海上コンテナにはないサイズを使用してきました。

とは言えJR貨物は荷主やリース会社が保有する私有コンテナも、JR貨物に登録することで輸送に対応しています。また、近年では海上コンテナ積載対応貨車の製造も進んでいます。

なお、JR貨物のコーポレートカラーはコンテナブルーと言われています。

①31フィート

JR貨物の汎用コンテナの中で、最も大きいものが31フィートコンテナとなります。

JR貨物では「大型トラックと同等の積載容量」と自負しています。

同社が公表するサイズはこちらです。

内法寸法

長さ9,245mm×幅2,350mm×高さ2,210mm

側入口

幅8,503mm×高さ2,822mm

妻入口

幅2,310mm×高さ2,210mm

内容積

48kg

積載重量

13,800kg

②12フィート

最もよく利用される汎用コンテナが12フィートです。

扉の開き方によってサイズが異なります。

なお、それぞれの種類は海上輸送にも対応できるよう、上下四隅に隅金具が取り付けられています。

■両側の側面が開くタイプ

内法寸法

長さ3,647mm×幅2,275mm×高さ2,252mm

側入口

幅3,635mm×高さ2,187mm

内容積

18.7kg

積載重量

5,000kg

■側面と妻面が開くタイプ

内法寸法

長さ3,587mm×幅2,325mm×高さ2,232mm

側入口

幅3,525mm×高さ2,187mm

妻入口

幅2,307mm×高さ2,158mm

内容積

18.6kg

積載重量

5,000kg

ちなみにこのタイプはどちらからでも荷役が可能とあって、積み下ろしの場所を選ばないと言う利点があります。

■通風コンテナ

内法寸法

長さ3,647mm×幅2,275mm×高さ2,245mm

側入口

幅3,635mm×高さ2,187mm

内容積

18.6kg

積載重量

5,000kg

海上輸送で用いられるベンチレーター・コンテナなどと同様、通風装置が付加されたコンテナとなります。

■背高コンテナ(一部区間の限定運用)

内寸法

長さ3,647mm×幅2,275mm×高さ2,352mm

側入口

幅3,635mm×高さ2,287mm

内容積

19.5kg

積載重量

5,000kg

■20フィートコンテナ(一部区間の限定運用)

内法寸法

長さ6,007mm×幅2,328mm×高さ2,178mm

側入口5,961mm×高さ2,061mm

妻入口

幅2,200mm×高さ2,061mm

内容積

約30.4立方メートル

積載重量

8,800kg

3.コンテナの種類とサイズ③コンテナハウス

住宅として使用されるコンテナハウスは、前述の通り貨物用とは違った制約が出てきます。なぜなら日本国内で言えば建築基準法に則った建築物でなくてはならず、素材や造りに明確な決まりがあるのです。

しかしながら外法寸法はISO規格の海上コンテナと同一のものが一般に普及しています。コンテナハウスは「移動できる」という利点を持つのですが、移動の際に同一規格のものであれば、トラックや鉄道で輸送しやすい、という理由があるためです。

ただし、複数コンテナを組み合わせて広くしたり、二階建てにしたりすることで任意のサイズに調整することもできます。

■20フィート

外法寸法

長さ6,058mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

面積

14.2㎡、4.29坪(7.7畳)

■40フィート

外法寸法

長さ12,192mm×幅2,438mm×高さ2,591mm

面積

29.7㎡、8.9坪(16.2畳)

4.コンテナはイレギュラーサイズでも作れる?

「小さいコンテナハウスが欲しい!」こういった場合、イレギュラーで任意のコンテナを専用業者に作ってもらうことは可能です。

小さければ材料費などのコストは抑えられることもありますが、コンテナハウスの建築費用を全体で見ると通常サイズと比べて大きな違いはありません。

また、輸送時に、イレギュラーサイズは割増料金を取られる可能性もあります。

もし違ったサイズのコンテナを作る際は、購入店や製造元から見積もりをしっかり取り、不明点や気になることはとことん相談するようにしましょう。

5.まとめ

コンテナの種類やサイズ、その用途についてをご紹介いたしました。

コンテナにはISO規格で定まった海上コンテナが最も有名であること。ドライコンテナ、リーファーコンテナなど様々な種類がありますが、外法寸法など基本サイズは変わらないこと。20フィートと40フィートがよく用いられること。その他鉄道コンテナやコンテナハウスのサイズなどをご理解いただけたでしょうか。

とは言えコンテナは日々進化しています。基本的な規格は変わらないと言えど、特殊機能を備えた製品なども種々ラインナップされるようになっており、その進化は大変目覚ましいですね。コンテナ市場から目が離せません。

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